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Abstract
本稿は、ブロッコリー等のアブラナ科野菜に多い生理活性成分(例:スルフォラファン)と、心血管疾患(CVD:心筋梗塞や脳卒中など)の関連について、疫学研究と基礎研究の知見を整理した総説である。観察研究では、アブラナ科野菜の摂取量が多い集団でCVDリスクが、15〜20%程度低い傾向が示されている。総説は、抗酸化・抗炎症に関わる機序としてNrf2経路の活性化を中心に、血管内皮機能や炎症関連指標への影響が示唆されることをまとめている。
Implication
IMN-RCでは、本稿を、食品の効果に対して説明可能な機序がどこまで与えられているかを整理した総説の一つとして位置づける。観察研究はアブラナ科野菜摂取と心血管疾患(CVD)リスク低下の関連の大きさを示し、基礎研究側はスルフォラファン等がNrf2(細胞の抗酸化・解毒など防御系遺伝子発現を統括する転写因子)を介して、炎症・酸化ストレス・血管内皮機能といった中間指標に影響し得るという説明枠組みを提示する。今回の論文の成果として、疫学の相関と分子機序が同じ方向に整列し、仮説(成分→経路→中間指標→疾患リスク)の妥当性を評価しやすくなっている点も重要であると考える。